こんにちは。
突然ですが、柔道整復師(じゅうどうせいふくし)という資格があることはご存じですか?実はこの資格、弊社接骨院で施術やデイサービスでリハビリを担当するスタッフが全員所持している国家資格なんです。院長の私以外の施術スタッフは更に「鍼灸師」の資格も所持しております。
しかし「鍼灸師」と言えば「鍼打ったり、お灸したりする資格」と想像しやすいとは思いますが「柔道整復師」と言われても「柔道?何で?患者さん投げたりするん?関節技?」と想像される方もいるのではないでしょうか。
そこで、本日は「柔道整復師とはどのような資格なのか?」というテーマで由来と歴史について、起源 → 制度化 → 現代の流れで分かりやすく解説します。
1. 柔道整復の起源|武術と「活法・殺法」
柔道整復のルーツは、**日本の古武術(柔術)**にあります。
戦国時代から江戸時代にかけて、武士たちは戦いや稽古の中で
- 脱臼
- 骨折
- 打撲
といった外傷を頻繁に負っていました。
そこで柔術には
- 殺法(さっぽう):相手を制圧・攻撃する技
- 活法(かっぽう):負傷者を回復させる技
という2つの側面が存在していました。
この「活法」こそが、柔道整復術の原型です。
徒手(手技)によって
- 骨を元に戻す
- 関節を整える
- 体の機能回復を促す
という考え方は、すでにこの時代から存在していました。
2. 江戸時代|「ほねつぎ」の誕生
江戸時代になると、戦が減り、武士の技術が庶民にも広がります。
この中で
- 骨折
- 脱臼
を手術や薬に頼らず、手で治す人々が現れ、
彼らは一般に 「ほねつぎ」 と呼ばれました。
この頃の特徴は
- 経験と徒弟制度による技術継承
- 医師とは別の民間療法として発展
👉 まだ国家資格ではありませんが、地域医療として重要な役割を担っていました。
3. 明治時代|西洋医学との衝突と存続の危機
明治維新後、日本は急速に西洋医学中心の医療制度へ移行します。
その結果
- 「ほねつぎ」は非科学的
- 医師以外の治療行為は禁止
とされ、一時は存続の危機に立たされました。
しかし
- 外傷に対する実績
- 地域医療での必要性
が認められ、柔道整復術は例外的に存続することになります。
4. 柔道との関係|嘉納治五郎の影響
ここで重要なのが、嘉納治五郎の存在です。
嘉納治五郎は
- 古流柔術を整理・体系化
- 教育的・安全性を重視
して柔道を創始しました。
その過程で
- 受身
- 怪我の予防
- 負傷時の整復・回復
といった考え方が整理され、
柔道整復術という名称と理念が確立していきます。
「柔道整復師」という名称には
柔道の理論を基礎とした整復術という意味が込められています。
5. 昭和時代|国家資格としての確立
- 1947年(昭和22年)
柔道整復師法が制定 - 国家資格として正式に認められる
これにより
- 養成学校での教育
- 国家試験
- 業務範囲の明確化
が行われ、現在の柔道整復師制度が完成しました。
6. 現代の柔道整復師|役割と特徴
現在の柔道整復師は
- 骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などの外傷専門職
- 手技療法を中心とした保存療法のプロ
という立ち位置です。
特に
- 医療機関と地域をつなぐ存在
- スポーツ外傷・高齢者ケア
- 予防・再発防止
といった分野で重要な役割を担っています。
いかがでしたか?
我々の持つ柔道整復師という資格がいかに「柔道」と密接にかかわっているかがおわかりいただけたでしょうか?以前は、この資格を取るときに柔道初段の取得が必須条件(※現在は任意)でした。ベテランの柔道整復師の先生方には柔道経験者が多く、過去には柔道場が併設されている接骨院も多数存在しました。そしてその先生方はもれなく柔道がメチャクチャに強かったです。
今では接骨院の業態も世間のニーズに応えるべく多様化し、美容やダイエットに特化した接骨院もあるようです。それはそれで必要な進化ともいえるでしょう。弊社接骨院でも美容鍼のサービスを実施しております。
しかし、我々の本懐は「怪我の対処」です。私はそこだけは忘れてはならないように思っています。もちろん私自身がすべての怪我に完璧に対処できるわけではありません。どうにもこうにも出来ないケースもまだまだありますが、それでも我々の仕事の根幹となるのは「怪我の対処」です。
どうか、怪我をしてしまった時には、病院だけではなく「接骨院」も選択肢の一つとして覚えておいていただければ嬉しく思います。
参考文献・参考資料
- 厚生労働省
「柔道整復師法」および関連法令
(柔道整復師の業務範囲・制度の根拠) - 全国柔道整復学校協会 編
『柔道整復学・総論』
医歯薬出版株式会社
(柔道整復術の歴史・制度化の経緯) - 日本柔道整復師会
公式サイト掲載資料
「柔道整復師の歴史と役割」
(ほねつぎの歴史、明治以降の位置づけ) - 嘉納治五郎
『柔道教本』
(柔道の理念・安全性・教育的価値に関する原典) - 南谷和利 ほか
『柔道整復学概論』
南江堂
(柔道整復術の成り立ちと現代医療における役割) - 文部科学省
近代日本医学史・体育史関連資料
(明治期における西洋医学導入と伝統医療の位置づけ)
次回予告
本日述べた「柔道整復師」の資格を院長が取得した理由について、私の半生とともに述べてみようと思います。
コメント